名作ダークファンタジー

原作ロゴ

コミック版『鋼の錬金術師』は『月刊少年ガンガン』)にて、2001年8月号から2010年7月号まで連載された。全108話。略称は、『ハガレン』等。
単行本は全27巻が発売されており、累計発行部数は6,100万部を記録し、スクウェア・エニックス発行のコミックスの最高記録となる大ヒットコミックである。


あらすじ

アメストリス国の片田舎リゼンブールに生まれ育ち、高名な錬金術師ヴァン・ホーエンハイムを父親に持つ兄のエドワード(エド)と弟のアルフォンス(アル)のエルリック兄弟は錬金術師としての才能を開花させていく。しかし、父の失踪後女手一つで兄弟を育ててきた最愛の母親トリシャは病に倒れて帰らぬ人となった。母親の死を受け入れられない兄弟は、錬金術における最大の禁忌『人体錬成』で母親を蘇らせようとする。
だが、錬成は失敗。エドは左脚を、アルは自らの身体全てを失ってしまう。エドはアルまでも失うことを恐れ、自身の右腕を代価として父のコレクションの甲冑にアルの魂を定着させることに成功する。だが、生きる目的を失ったエドは廃人同然となり、アルは何も感じず、眠れぬ体に苦悩する。二人は父の親友で機械鎧(オートメイル)技師のピナコ・ロックベルに保護され、幼馴染みのウィンリィ・ロックベルと共に暮らすことになった。 しばらくして、国家錬金術師で焔の錬金術師の二つ名を持つロイ・マスタング大佐が副官のリザ・ホークアイ中尉を伴って兄弟を訪ね、エドに国家錬金術師としての道を進める。
12歳になったエドは、国家錬金術師の資格取得に赴き、見事試験に合格し、二つ名『鋼』を軍より授けられる。国家錬金術師の証である銀時計を手に帰省したエドはアルと共に自宅を焼き払い、絶大な力を持つという賢者の石に肉体を取り戻す可能性を求め、ウィンリィとピナコに別れを告げる。こうして鋼の錬金術師となったエドとアルの旅が始まるのだった。


みどころ紹介


1・作り込まれた世界観、ストーリー

最初に注目して欲しいポイントは、ハガレンの世界観。
物語の世界は、19世紀の産業革命期のヨーロッパをモチーフにしており、重要な要素である錬金術は実際の歴史に従った設定となっている。あらすじに登場しているホーエンハイムや、賢者の石などもモデルになった話があるため、ぜひ興味があれば調べてみて欲しい。
続いてストーリーだが、ダーク・ファンタジーがテーマとなる漫画作品であるにも関わらず、世界観などの雰囲気が暗くなりすぎずとても読みやすく、かつ盛り上がるシーン、考えさせられるシーンなど面白い要素がこれでもかというほど詰まっている。また、登場人物にもそれぞれしっかりした目的があり、ストーリーの終わりが定まっていることから引き延ばしたという感じが全くない飽きない出来である。

原作2

絵もクセがなく、かなり読みやすい


2・魅力的なキャラクターたち

今作では主人公はもちろんのこと、主人公の周りの人物やこの世界の軍人たち、敵キャラクターまでもが沢山の魅力を持っている。何かのために戦っている、大きな理想があるなど、キャラクターそれぞれに作り込まれた設定があり、どのキャラクターも人気がある。案外、他の作品ではすぐにいなくなったりするキャラクターでも突然レギュラーになったり、今まで大したことのなかったキャラクターが実は・・・、という展開も多い。読む際にお気に入りのキャラクターなどを見つけながら読んでいくと、より一層ハガレンの世界に入り込めるかもしれない。

3・所々に挟まれるギャグ要素

ここまでストーリーやキャラクターなど真面目な要素を色々と紹介してきたが、ハガレンの人気の理由ははこれだけではない。ダークファンタジーがテーマでありながら暗くなりすぎない要因として、各シーンに散りばめられているギャグシーンがある。真面目な感じのシーンでも急に挟まれることもあり、さらにギャグがとても優秀なためこれも読みやすさの一つになっている。
また、コミックの最後の方のページには毎回4コマがついており、こちらも人気が高い。毎回毎回面白いため、コミックを買った際はぜひ最後のページまで読み上げて欲しい。


ここまでコミック版を紹介してきたが、実際に読むとここでは語りつくせないほどの魅力がある。現在では完全版コミックもあり、通常版は中古が出回っていたりと入手は難しくないため、是非手元に取って読んでみて欲しい。

2003年版アニメ紹介へ

2009年版アニメ紹介へ

ホームへ