魔法、城、元気なおばあちゃんに空を飛ぶ浮揚感…“宮崎印”が全部詰まった青春恋愛ファンタジー
ベネチア国際映画祭など海外の映画祭でも絶賛された宮崎駿の作品。
倍賞千恵子、木村拓哉、神木隆之介など、豪華な顔触れの声優陣も話題となった。
原作は、イギリスの小説家、ダイアナ・ウィン・ジョーンズによる「魔法使いハウルと火の悪魔」。
実家の帽子店で働いている18歳のソフィーは、荒地の魔女から呪いをかけられて90歳のおばあちゃんに姿を変えられてしまう。
仕方なく家を出たソフィーは、美女の心臓を食べるとウワサされる魔法使い・ハウルの城に潜り込み、共同生活を送ることに…。
キャラクターなど主要な設定は原作を踏襲しながら、国家間の戦争に魔法使いたちが巻き込まれていくというオリジナルの展開をプラスした。
魔法がいっぱいかけられた「動く城」を、あの宮崎駿が描く、というだけでワクワクドキドキ。
外観はもちろん、部屋の細部に至るまで、ハウルという1人の青年が好きなものだけで作り上げた城は、ゴチャゴチャとした温かみに満ちている。
そして、ダイヤルを回すだけで異なる街に行ける、「どこでもドア」的な扉の外に広がる風景がまた見事。
その街ごとに別々の作品が作れそうなほどの完成度の高さに圧倒されるはず。
ほかにも、宮崎アニメの「オイシイトコ」が全部詰まっているのがこの作品の魅力。
ソフィー“おばあちゃん”がシャカリキに動き回る様は、「ラピュタ」のドーラや、「千と千尋」の湯婆婆みたいだし、荒地の魔女の手下たちは「もののけ姫」のタタリ神のように不気味。
もちろん、空を飛ぶシーンはスピーディで爽快感満点だし、食卓のベーコンや卵は本当に美味しそう!
そして、やはり注目は多彩な声優陣。
18歳から90歳に突然姿を変えられ、しかも状況や心境によってちょっと若返ったりするソフィーに倍賞千恵子。
笑ったり怒ったり叫んだり愚痴ったり、様々な表情のソフィーを魅せてくれる。
そして、宮崎アニメ史上最高のイケメンキャラ、魔法使いのハウルに木村拓哉。
才能はあるんだけど、実は泣き虫で超ナルシスト、というキュートなキャラクターを好演している。
そして、美輪明宏、加藤治子というジブリの“常連”俳優陣が、ハウルが恐れる2大魔女役で圧倒。
ほかにも、めちゃくちゃ愛らしいハウルの弟子・マルクルに「借りぐらしのアリエッティ」で翔役を演じている神木隆之介、
火の悪魔カルシファーに我修院達也、かかしのカブに大泉洋など、聴いているだけで贅沢気分の面々が集結した。
ソフィーという少女の一風変わった成長物語として。また、ダメ男ハウルが新たな家族を作っていく話として。
そして、ソフィーとハウル、2人の世紀を超えた運命の恋愛物語として。
様々な角度から楽しむことができる物語。極上のハッピーエンドが、あなたを待っています。
役名 | 声優 | |
---|---|---|
ソフィー | 倍賞千恵子 | |
ハウル | 木村拓哉 | |
荒地の魔女 | 美輪明宏 | |
マルクル | 神木隆之介 | |
カルシファー | 我修院達也 | |
レティー | 香月弥生 | |
ファニー | 八十川真由野 | |
カブ | 大泉洋 | |
サリマン | 加藤治子 | |
ヒン | 原田大二郎 | |
国王 | 大塚明夫 |