猫は元来、狩りをして食べるものを手に入れてきました。そのとき、獲物を丸のみに近い状態で食べる習性があり、自分の胃袋の大きさ以上の量を食べてしまうことがあります。そのため、吐き出すことが多くなったのです。
猫は自分で自分の身体を舐めてグルーミングをします。そのとき、知らず知らずのうちに毛を飲み込んでいるため、胃の中に溜まった毛が毛玉となって吐き出されることがあります。毛玉ができやすい子は、日常的によく吐き出します。嘔吐物が毛玉だけなら、必要以上に心配をしなくてよいかもしれません。
お腹が空きすぎているときや胃の運動が低下していると、たいていの場合、透明な液体や泡だけを吐きますが、まれに黄色い液体を吐くことがあります。この黄色い液体は、胆汁である可能性が高いです。
吐物に血が混じる時は、出血元が呼吸器の可能性があります。この場合、出血してから時間が経過しているので、黒っぽい茶色をしている場合が多いです。
透明な液体や白い泡を吐くことがあります。これは、胃液です。胆汁を吐くときと同様に、お腹が空きすぎると胃液を吐くことがあるのです。胃液を吐いた後、ごはんを食べて、けろっとしていれば心配がない場合が多いですが、繰り返す場合は病気のサインかもしれません!
胃や腸など内臓から出血している場合に、黒っぽい茶色のものを吐くことがあります。出血したばかりの血液の色は真っ赤ですが、時間が経つと酸化して、茶色っぽい色に変わるのです。
たとえ胃液だけであっても、1日に何度も吐いたり、吐くことが何日か続いた場合は、誤飲や消化器系の病気のサインかもしれないので、早めに病院に連れて行きましょう。
吐きたがってえずいているのに、何も吐き出さないあるいはよだれだけが出る、といった場合は、毛玉が溜まってしまっている毛球症(もうきゅうしょう)や異物誤飲かもしれません。
猫は吐くことが多いのであまり気に留めないかもしれません。しかし、なかには事故や疾病が原因のこともあるので、いつもと違うと感じたら、獣医師に見てもらった方が安心です。