ロケーションから見るストーリーの流れ
ネイトとその兄であるサムことサミュエル・ドレイクが敵の包囲を脱しようと応戦するシーンからゲームが始まります。二作目の「黄金刀と消えた船団」と同じく、この冒頭の場面がストーリーにおける時間軸の現在にあたります。ボートが敵船と衝突し、ネイトは海に放り出されて意識を失います。場面は少年ネイトが暮らしている孤児院に変わります。ケンカの罰として遠足に行けず一人居残りになっているとき、窓の外にサムの姿を目にします。シスターの目を盗んで窓から外に出ると、サムから見せたいものがあると告げられます。屋根を伝ってサムの後をついていくと、そこにはバイクがありました。サムは母の遺品を見つけたと言い、二人乗りで目的地に向かいます。続くシーンは現在から15年前のパナマです。ネイトとサム、そしてレイフ・アドラーの三人は海賊王と呼ばれるヘンリー・エイブリーが300年前に隠した4億ドル相当の宝の手がかりを求めて、パナマの刑務所にわざと収監されました。首尾よく独房に入るよう仕向けることに成功したネイトは、買収済みのバルガスに手引きをさせて刑務所のすぐ裏にある古い建物を調査します。ここはかつてエイブリーが収監されていた建物でした。そこでディスマスの像を見つけ、サムとレイフに報告します。スコットランドに次の手がかりがあると気づいた一行はバルガスの協力のもと刑務所を後にするつもりでしたが、分け前を要求したバルガスをレイフが殺してしまい逃亡することになります。途中でサムが撃たれ、ネイトとレイフの二人だけが脱出に成功します。パナマでの逃亡劇から15年後、ネイトはエレナとの二度目の結婚生活を送っていました。トレジャーハントから退き、エイブリーのことも忘れ普通の暮らしを送っていたのです。JMI(=Jameson Marine Inc.)で残業をしているとき、死んだと思っていたサムが姿を表しました。再会を喜ぶネイトでしたが、脱獄に手を貸してくれた麻薬王ヘクター・アルカサルに借りを返すためエイブリーの宝を探さなければならないことを聞かされます。
このロケーションをルイジアナ州ニューオーリンズとしたのは、エピローグでネイトの家にある新聞記事を出典にしています。壁に「地元のサルベージ会社が冒険を振り返る」というニューオーリンズの地元紙が飾ってあります。場面はパナマの監獄に移ります。監房で筋トレに精を出すサムに対し、アルカサルは監獄を出たら何をするか聞きます。エイブリーのお宝を見つけるというサムの答えを聞いたアルカサルは、自分の脱獄計画にサムを加えました。
脱出に成功したアルカサルは、迎えの車の中で早々にお宝の話をします。サムを車から降ろし、3ヶ月でお宝を見つけて半分をよこせと命令しました。
サムからその話を聞かされ宝探しに誘われたネイトは逡巡しますが、エレナにはマレーシアで仕事をすることになったと嘘をつきエイブリーの宝探しを15年ぶりに再開することになりました。ディスマス像を奪うことを目的に、裏社会とコネがあるサリーの協力によってブラックオークションが開催されるロッシ家の屋敷に潜入します。招待客として正式に招かれているサリーがオークションの開始を待っていると、民間軍事会社ショアラインのボスであるナディーン・ロスと、かつてともにエイブリーの宝を追っていたレイフが現れます。レイフは潤沢な資金でディスマス像を落札しますが、その直後にネイトたちは策を弄してディスマス像の強奪に成功します。警備員に追われながらも脱出に成功し、レイフが探している大聖堂そのものではなくそこから離れた墓地に手がかりがあることを突き止めました。
ロッシの屋敷があるロケーションはイタリアですが、具体的な地域は明らかになっていません。しかし、海が近く庭にシチリア名産のレモンが実っていることから、マフィアの起源とも言われているシチリア島かもしれません。スコットランドに到着したドレイク兄弟は聖ディスマス大聖堂の墓地でエイブリーの墓を見つけ、墓の下にあった仕掛けを解いて近くの十字架の下にある洞窟に向かいます。
ショアラインの傭兵たちを倒しながら先を進むドレイク兄弟は洞窟の最深部にたどり着き、さらなる手がかりであるコインを得ます。そこにナディーンが現れるもののなんとか崩壊する洞窟から脱し、待機していたサリーの飛行艇に乗り込みます。ネイトは手に入れたコインからエイブリーが試練を乗り越えられる仲間を募っていたことを推理し、コインに描かれていた火山があるマダガスカル島に向かったのでした。マダガスカルに到着した3人は火山の周辺で手がかりを探し、聖ディスマス像を見つけます。サリーが壁に彫られた彫刻画が地図であることに気付き、12箇所に散らばる塔のどれかに次の手がかりがあることを突き止めます。レイフが雇っているショアラインの妨害に遭いながらも、壁に描かれたヒントとコインから二つの塔に絞り込みサムと二手に別れて調べることにしました。サリーとともに調べた教会の地下でエイブリーの試練を解いたネイトはサムに連絡を取りますが、サリーのスマホがレイフによって盗聴されていたため解読した手がかりは筒抜けになっていて、ショアラインに追われるはめになってしまいました。サムと合流し命からがらホテルに戻り集めた情報をまとめると、リバタリアの位置が判明しました。
お宝を手に入れた気分でホテルの部屋に入ると、そこにはエレナがいました。ネイトはエレナに嘘をついていたことや兄の存在を言っていなかったことなどを責められ、エレナだけでなく仲裁に入ろうとしたサリーとまで喧嘩になってしまいます。それでもネイトは塔で得た手がかりをもとにボートで島に向かいます。エイブリーが手がかりを残した島でサムとともにエイブリーの巨大な像を発見したネイトは、そのエイブリーが見ている先にある島がリバタリアだと確信します。ボートで向かうものの同じ島を目指すショアラインの襲撃に遭い、ゲーム冒頭のシーンに戻ります。海に放り出されたネイトは一人海岸に漂着しますが、途中でサムとのコンタクトに成功し、合流します。二人はリバタリアの痕跡を辿り、ついに海賊たちの楽園を発見したのです。しかしショアラインも同様に街を発見していて、エイブリーが遺した財宝を探すうちにナディーン、レイフと鉢合わせしてしまいます。実は、サムはアルカサルと脱獄したわけではなくレイフの賄賂によって出所し、レイフと協力してリバタリアを探していたことがレイフの口から明らかになりました。
ネイトは動揺を見せつつもレイフに対し俺達がいなければ財宝は見つからないと主張しますが、レイフは一人でいいと言ってネイトを撃ちます。しかしサムがネイトを庇い、ネイトは崖下に転落してしまいました。物語は少年ネイトがサムに誘われて孤児院を抜け出したシーンの続きに移ります。バイクで連れられてきた場所はトレジャーコレクター(エブリン)の屋敷でした。二人の母であるカサンドラ・モルガンの調査ノートを見つけてすぐにエブリンと鉢合わせしてしまうものの、カサンドラの子供達だと分かるとそのノートを譲り受けます。その直後、病を患っていたエブリンが倒れ、状況的に逃げるしかない兄弟は警官を振りきって屋敷を脱出します。お尋ね者になってしまった二人ですが、サムとネイトはこれからドレイク姓を名乗り、母が調査を進めていたドレイク卿とエイブリーの謎を追い求めることを決意したのです。エレナに発見され意識を取り戻したネイトは、過去のことを全てエレナに話します。エレナにはまだわだかまりがありますが、サムを救出して島を出るという目的のため歩を進めます。サムを救うためにレイフ一行を追う過程で、二人はエイブリーとその右腕であるトマス・テューがほかの海賊たちを罠にかけたことやエイブリーとテューが対立していたことを推察します。レイフたちを海賊の罠にはめて逃げることに成功したサムと合流し、サリーも含めた4人は財宝を諦めて島を脱出するため飛行艇に向かいますが、サムが諦め切れず単独で宝を探しにいってしまったためやむなくネイトたちも追いかけます。
その一方で、レイフ陣営はエイブリーが遺した財宝の一部を手に入れ島を出ようとするナディーンと全てのの財宝を手に入れたいレイフの間で諍いが起こり、ナディーンは自身の部下だったオルカやノットを買収していたレイフの言いなりにならざるを得ない状況になっていました。ネイトが単独でエイブリーの財宝を保管していた船にたどり着いたとき、サムはレイフとの争いのすえ身動きが取れなくなっており、さらにナディーンがレイフに反旗を翻したためネイトとレイフの一騎打ちとなります。
レイフを倒したネイトは船を沈めることで海水の浮力を利用してサムを救い、エレナのもとに泳ぎ着いてサリーの飛行艇でマダガスカルまで帰ります。マダガスカルでアメリカに帰るネイトとエレナを見送ったサムは、この冒険で再びトレジャーハントの意欲が沸き起こりサリーとコンビを組むことになります。一方、ネイトとエレナはサムが確保していたエイブリーの金貨でジェイムソンの会社を買い、さらにエレナのコネも使ってマレーシアの沈没船探索を行うことになります。今度こそイリーガルなトレジャーハンターを引退し、リーガルな方法で宝探しをする環境を手に入れたのです。エピローグは十数年後の話だと思われます。ネイトは企業として活動する合法なトレジャーハンターとして業界誌で頻繁に取り上げられる存在になり、ネイトとエレナ、娘のキャシーと飼い犬のビクターという家族構成で南国を思わせる海辺の家に暮らしています。
サミュエルが「サム」、ウィリアムが「ビル」という愛称で呼ばれるように、「キャシー」はカサンドラという名前の一般的な愛称で、ネイトは娘に母の名前を付けたようです。
両親が留守にしているとき、キャシーが好奇心から鍵のかかった棚の扉を開けるとネイトとエレナが過去の冒険で手にしてきた様々な宝物が出てきました。帰ってきたネイトはドレイク卿の棺から始まる冒険譚を娘に話しはじめ、ネイサン・ドレイクの物語は終焉を迎えました。
詳しく知りたい方
ネイサン・ドレイク(通称ネイト)
CV:東地宏樹
優れた身体能力と洞察力を兼ね備えたトレジャーハンター。
海洋冒険家フランシス・ドレイクの子孫を自称し、
世界中を旅しながら歴史の謎を追求している。
卓越した探究心と優秀な直感を持ち、
これまでに数々の冒険を乗り越えてきた。
誰に対しても皮肉を込めた発言をするが、
中身は正義感と情熱にあふれたタフガイである。
砂漠のアトランティスをめぐる冒険を経て、
エレナと結婚しトレジャーハンターを引退。
幸せな生活を送っていたが、突如現れた兄サムにより、
最後の冒険へと旅立つ。
ビクター・サリバン(通称サリー)
CV:千葉繁
ネイトの師匠にしてよきパートナー。
いかなる状況下でも独特な会話ペースを
崩さない口八丁な人間だが、
詐欺まがいの話術を武器に何度もピンチをくぐり抜けてきた。
老いてはきたが、まだまだ衰えない手腕と知識を持つ。
今回のネイトの復帰には反対していたが、
彼の無茶を放っておくことはできず、冒険を共にする。
エレナ・フィッシャー
CV:永島由子
元々は人気ミステリー番組「アンチャーテッド」のレポーター
として活躍していたジャーナリスト。
エル・ドラドの秘宝をめぐる冒険で出会って以来、
ネイトと共に数多くの命がけの冒険を潜り抜ける。
ふたりは付かず離れずの腐れ縁だったが、
砂漠のアトランティスをめぐる冒険の末に、ついに結ばれた。
サミュエル・ドレイク(通称サム)
CV:井上和彦
ネイトの兄。15年前に死んだと思われていたが、
ある日突然ネイトの前に現れ、
海賊王エイブリーが残した秘宝をめぐる冒険に誘う。
ネイトよりも無鉄砲な危険な男。
ナディーン・ロス
CV:小島幸子
傭兵団を率いる女性。
目的のためなら実力行使も辞さない現実主義者。
レイフ・アドラー
CV:内田直哉
大金持ちのトレジャーハンター。
狙った財宝のためには手段を選ばない。