製作はディズニー&ピクサーで、フル3DCGで描かれた。ピクサーの長編アニメーション作品としては第5作目になる。日本では2003年12月6日公開。第76回アカデミー賞では長編アニメ賞を受賞した。
主人公ニモ(Nemo)の名は、ジュール・ベルヌの小説『海底二万里』に登場する主人公ネモ船長(Captain Nemo)から採られている。
オーストラリア・グレートバリアリーフの海の中、カクレクマノミの夫婦は子供達の誕生を心待ちにしていました。しかし、突然オニカマが現れ、卵を守ろうと思わず妻が飛び出してしまいます。助けようとした夫マーリンでしたが、叩き付けられて気絶してしまい、目を覚ますとたった一つの卵だけが残っていました。マーリンは、妻が名付けようとしていた、「ニモ」という名を付け大切に育てます。ニモは、片方のヒレが小さくうまく泳げないため、マーリンはだんだん過保護になっていき、学校に初登校の日もずっと着いてきて、うんざりしていました。そこで、ニモはわざとサンゴ礁をはなれ泳いでみせていると、人間のダイバーに捕まってしまいます。慌てて追いかけるマーリンですが、ニモを連れた船に、どんどん離されてしまいました。
追いかけるマーリンのもとに、人間のゴーグルが落ちてきます。そこに、手がかりがあると信じてマーリンは、ゴーグルを持ちながら旅にでます。途中で、物忘れの激しいドリーという魚に出会います。おしゃべりで陽気な彼女は、人間の言葉が読めるから見せて、と強引に近づいてきて、取り合いをしているうちに、落としてしまいます。深海近くまで落ちてしまったゴーグルを見つけ、アンコウに食べられそうになりながら、ドリーは言葉を読み上げます。それが住所であるとわかった2匹は、一緒に行動をするようになります。道中、サメの印象を向上させようと「魚は友達」を合言葉に魚を食べない行動をするサメトリオや、イワシの群に道を教えてもらいます。マーリンは、遠回りをしろと言われたピンクのカーテンを、ドリーをだまして進みます。しかし、それはクラゲの群で、毒によって2匹は気絶してしまいます。
その頃、人間に捕まったニモは、水槽の中にいました。ニモを捕まえたのは、歯医者のシャーマン医師で、彼の姪ダーラの誕生日プレゼントとして、ニモは捕まってしまったのです。しかし、水槽の仲間達は、ダーラはプレゼントされた魚を振り回し、その日のうちに死なせてしまう子供と恐れられていました。そこで、ニモは仲間達と脱出の計画を立てます。水槽を綺麗にする道具を壊し、掃除をさせようとしますがうまくいきません。一方クラゲの毒で気絶していたマーリンが目を覚ますと、ウミガメの甲羅の上でした。クラッシュ名乗ったウミガメは、マーリンたちがクラゲの群を突っ切るのを見ていたのです。そして、ニモを助けるために泳いでいたマーリンを、海流に乗せてくれるのでした。港についたマーリンとドリーは、ペリカンのナイジェルの口に入れてもらい、ニモのいる歯医者へと案内してもらいます。しかし、ナイジェル歯医者に到着した時、ニモが脱出するためにトイレに流されていってしまいます。
ナイジェルに海におろしてもらったマーリンは、慰めようとするドリーに強く当たってしまいます。ニモが死んだのは自分のせいだ、と突き放し、ドリーを置いて行きます。しかし、ニモは海に敷かれるパイプから出てくることができました。帰り道を探していたニモは、ドリーに出会います。ドリーは、自分がなぜここにいるのか忘れてしまっていましたが、ニモに会って思い出すことができ、マーリンを追いかけます。マーリンに追いついた瞬間、ニモとドリーは漁船の網にかかってしまいますが、一緒に捕まった魚の群と共に網を突き破り、ようやく再会することができました。住処に戻ると、旅を通してたくましくなったニモと、寛容になったマーリンは、住民といい関係がとれるようになります。ニモは、クラッシュの息子スクワートと一緒に学校に行き、マーリンはドリーやサメトリオと仲良く過ごし、楽しく暮らしました。