時は明治十一年。舞台は滋賀県、大津。日本は急速な欧米化に伴い、
美しい洋装に身を包む人々や、洋風建築が立ち並ぶ町へと姿を変えつつありました。
しかし新政府に対する反乱分子も多く、凶悪な犯罪者が溢れ、監獄からの脱獄も後を絶たない…
そこで政府は琵琶湖に浮かぶ巨木に、脱獄不可能な監獄「獄門処」を設けたのです。
その獄門処への犯罪者の橋渡しを担うのが、
曇神社(くもうじんじゃ)の曇 天火(くもう てんか)、曇 空丸(くもう そらまる)、曇 宙太郎(くもう ちゅうたろう)の三兄弟。
その頃大津は長い間ずっと、曇天が続いていました。
この地では300年に一度、曇り空が続くと、
すべてを破壊しつくし滅ぼす「大蛇(オロチ)」が人間を依り代に復活すると言い伝えられているのです。
大蛇復活の兆しの曇天が続く中、大蛇討伐のため政府によって結成された「犲(やまいぬ)」も動き出していました。
復活を遂げようとする大蛇、その大蛇を利用しようと企てる不穏な動きをする者たちも現れ、戦いは更に厳しいものに。
曇り空を晴らすため、大切なものを守るため、曇天三兄弟や犲の面々、仲間たちは戦いを挑みます。